ご挨拶
本勉強会は、若手数人による他愛のない会話の中にあった「企業の若手研究者は勉強したい有志で溢れているのに…」という想いに発して、2016年に立案されました。間もなくして、代表世話人の専門分野「薬物の吸収と体内動態」を基盤とする形で、次世代を担う若手研究者の国際競争力の強化およびモチベーションの向上を目的とした勉強会「Absorption Club -薬物吸収勉強会-」が設立されるに至りました。
第1回勉強会が2017年1月に満を持して開催されて以来、「薬物の吸収と体内動態」を巡る薬物動態学、生物薬剤学、物理薬剤学、製剤学、薬物送達学、医療薬剤学、臨床薬理学、レギュラトリーサイエンスなどを積極的に学びたい有志者を対象に、東京薬科大学 千代田サテライトキャンパス (東京・飯田橋)にて、年3~4回 (不定期)を目途に開催しています。「Absorption Club -薬物吸収勉強会-」は、基本的には若手研究者の勉強会として位置付けており、特筆すべきは参加費「無料」の有志参加を強調している点にあります。ただし、入会に当たってはその必須条件は定めておらず (若手の定義も定めておらず)、産官学・老若男女・学生-社会人を問うていません。現時点で、大学、製薬メーカー、ベンチャー、受託機関
(CROなど)、医療機関 (病院や薬局など)、行政機関 (PMDAや都庁など)における研究職・開発職・医療職・行政職などの多様な職種、またその中にあって、薬物動態、安全性、製剤、物性、CMC、DDS、臨床薬理、レギュラトリーサイエンスなど多彩な分野を背景にした多くの方々に参加頂いております。プログラムの軸は、(1) 情報、(2) 研究、(3) 演習 とし、毎回、その中の2セッションを選択して計画されます。(1)は情報提供による学習、(2)は研究成果 (調査研究 or 基礎研究)の発表、(3)はソフトウェアなどを用いたモデリング&シミュレーションなどの演習とします。いずれもラウンドテーブルディスカッションとして自由に意見交換できるような形式を設定しています。本勉強会の開始時刻は、各社の終業時間を考えて、おおよそ18:30頃から開始し、21:00頃から意見交換会 (有料)に移動します。意見交換会は自由参加制ですが、Absorption Clubに集う仲間により、将来、その英知を結集し世界と競い合うネットワークを構築するためにも、その参加には大きな意義と利益があると考えています。
製薬業界が求める人材が、世界を舞台に柔軟かつ主体的に活動できる「グローバル人材」へと変わりつつある昨今、日本がこれまでと同様にアジアや世界の薬学研究をリードしていくためには、未来を担う若手研究者の国際競争力、モチベーションおよび人脈 (ネットワーク)形成の強化が重要な課題となります。